トム・サックスのスタジオの元従業員が劣悪な職場環境を摘発
「私たちはまだTomのことをとても怖がっています…この仕事は私にとってのアート業界を台無しにしました」(UPDATE:〈Nike〉が声明を発表)
UPDATE(3/20):〈Nike〉の広報担当者は、本件に対して「非常に深刻な疑惑に深く懸念しています。この状況とこれらの問題がどのように対処されているか、より理解するために、Tomと彼のスタジオと連絡を取っています」と『Complex』にコメントを残している。
ORIGINAL(2022/3/14):〈Nike(ナイキ)〉と長年のコラボレーターとしても知られる世界的に人気な現代アーティスト Tom Sachs(トム・サックス)の元アシスタントが、彼のスタジオは“不安定で恐ろしいもの”だったと米ニューヨークを拠点とするオンラインマガジン『Curbed』に明かした。
『Curbed』によると、10人以上におよぶTom Sachsの元スタジオ従業員たちは同じ内容の被害を主張しており、特に、スタジオのカルト的なルールについて言及。Sachsのキャリアを熟知している方ならご存知だと思うが、2012年にSachsが設けたアシスタント向けのルール “Ten Bullets(テン ブレッツ)”では、全員が全てのアイテムを平行または90度で配置しなければならず、移動の際には修道院のように静かに歩くことが強いられていた。また、元スタジオアシスタントは、常に健康な食事メニューと運動のプログラムを実行し、“個人的な創意工夫”を避け、指示に対して“わかりました”または“わかりません”の応答のみしか許されていなかったとも明かしている。
さらに、Sachsがモノを投げつけ、“自閉症”、”知能遅れ”、“アバズレ”など暴言を吐いたとも説明。その他にも、〈Nike〉の女性従業員とのオンラインミーティングに、Sachsが下着姿で参加したことや、“レイプルーム”と名付けられた地下の保管室を、2016年から“同意室”に改名したことなどが報告されている。しかしながら、Sachsは、他の大部分の申し立てとともに、これらを全て否定。当時、ファブリケーターとして働いていた従業員は、「私たちはまだTomのことをとても怖がっています……この仕事は私にとってのアート業界を台無しにしました」とのコメントを残している。