“新しい陸上”を魅せたトラックイベント On Track Nights: MDC をレポート
トラックイベントとしての競技性はもちろん、エンターテイメント性も十分に兼ね備えた一日を振り返り
去る7月27日(土)、東京・世田谷に位置する『大蔵運動公園陸上競技場』にて開催された「On Track Nights: MDC」。この大会は、スイス発のスポーツブランド〈On(オン)〉と、中長距離に特化したトラッククラブ「TWOLAPS」の主催する「Middle Distance Circuit(以下MDC)」が、共同で実施した日本初上陸のトラックイベントで、レースの観戦者はもちろん、近隣の住民やファッション感度の高い若者まで、2,893名もの来場者が会場を盛り上げた。本稿では、そんなイベント当日の様子を捉えたレポートをお届けする。
前日までの天気予報では悪天候が心配されていたが、当日はイベントの開催を祝うような晴天で開場。競技場の入り口で受付を済ませ、まず広がるのは会場全体を見渡すことのできる観客席だ。本イベントのメインは、一般種目と日本グランプリシリーズの2パートに分かれたスピード感のあるレース。一般種目では、男女800m、男女1500m、小学生800m、日本グランプリシリーズでは男女800mと男女1500mが行われた。全てのレースはスタートからゴールまでこの席から一望できるため、選手と観客、そして関係者が一体となって楽しむことが可能に。観客席を降りると、トラックの内側にある芝生エリアに到着。ここでは、本イベントに際して〈On〉がデザインした特別なTシャツを購入できるほか、同社のトライアルシューズの着用、フェイスペイント、スポンサーエリアでのコンテンツなど、さまざまな体験ができた。
また、フォトブースと一般開放テント(休憩所)の間には、『Hypebeast(ハイプビースト)』がプロデュースしたDJエリアが出現。本エリアでは、DJブースの前で音にあわせて踊る人はもちろん、テントの下で座りながらBGMとして楽しむ人の姿も見受けられた。オープンには、Gen YamadaとSOTAによるDJデュオ WASPが登場。青空の下に心地いい、夏らしいセットが会場を盛り上げた。続けてririaが、土曜の午後にふさわしいリゾート調のセットをお披露目。その後、4人組のクリエイティブレーベル Sound Sports(サウンドスポーツ)からISLANDとRyota Ishiiが参戦し、陽が沈む頃にはレースのスピード感に共鳴するようにOzzy’s visionが颯爽とプレイ。ラストは、以前から〈On〉と親交の深いHARUが選曲を務めたあと、何人かのメンバーでB2Bで幕を閉じた。小雨が降る時間もあったが強まることはなく、当日の暑さを緩和する演出のようにも感じられるほどの盛り上がりが印象的だった。
そのほかのエリアでは、芝生エリアとフードエリアをつなぐブリッジや、暗くなるとライトアップする観戦トンネルなども設置。フードエリアには、ホットドッグやカレー、から揚げ&かき氷などのいわゆる“フェス飯”から、コーヒーやクレープなどのカフェメニュー、ビールといったアルコール類まで、豊富なセレクションが用意された。
そんな「On Track Nights: MDC」は、トラックイベントとしての競技性はもちろん、エンターテイメント性も十分に兼ね備えた、まさに“新しい陸上”を体現した一日となった。イベント当日の様子を収めたリキャップムービーも公開しているため、下記の投稿よりチェックしてみよう。